[ウェザリングTips] アクリル塗装剥がし

お戦車のウェザリングで色々とやってみたもの、記録として残しておくもののコーナーであります。今回はアクリルで塗装した基本塗装を剥がす、アクリルむにむに、いいやアクリル塗装剥がしについて書きます。



戦車のアクリル塗装剥がしについて

僕の戦車塗装はすべて筆塗りなので、ウェザリングもエアブラシはなく、筆や綿棒などを使って行っています。今回のアクリル塗装剥がしは、基本塗装をした後にやるもので、表面をあえて均一ではなくすることを目的としています。

あえて表面をザラつかせて凹凸と色の濃淡を作り、また剥がしも含めてやることで情報量を上げてオモチャっぽい表面を質感豊かな戦車の表情に変えるためにやっています。

この方法はあまり暗い色の塗装には向かず、明るめの色(ダークイエローやサンド、グリーン系)で塗装をしているときに有効な方法です。ジャーマングレーをそのまま塗った戦車などでは、表情がほとんど変わりません。

Before と After を比べてみるとこんな感じになります。まずは Before。

そして After。

こんな感じになります。やる段階としては基本塗装の後、スミ入れやウェザリングの前にやっています。基本塗装をいじることを主目的にしているので、細部塗装の前にやっていることが多いです。




アクリル塗装剥がしの方法

やり方はシンプルで、タミヤ等のアクリル塗料で塗装した表面を、アクリル溶剤をつけた筆や綿棒で擦るだけです。溶剤が少ないとうまく表面を溶かせないので、たっぷりつけるくらいで丁度良いです。そして、ごしごしと表面を擦ります。弱くやってもあまり塗料が動かないので、思い切ってやります。

失敗しても基本塗装の直後なので、また同色を塗って再チャレンジするだけで良く、リスクの低い作業です。ちなみに基本塗装は最低でも2層は塗っておいて下さい。1層だと一瞬で下地が見えてしまいます。

下地が見えるとただの塗り忘れっぽくなってしまうこともあるので、気になる場合はラッカー塗料(Mr.カラー)を下地として塗っておくと良いです。僕はグレイ系の色を塗っておくことが多いです。錆止めのオキサイドレッドも一度チャレンジしてみたいですが、まだやっていません。。

アクリル溶剤で塗装をこすると、色が濃くなります。一度明るい色を1層目とし、濃い色を2層目としてこすってみましたが、結局色は濃くなりました。また逆に1層目を濃い色、2層目を明るい色にしても結果は変わりませんでした。理屈が良く分からないのですが、今のところどうやっても濃く(暗く)なります。なので最近は必ずホワイトを想定色に対して2割くらい入れた状態で塗るようにしています。


アクリル塗装剥がしの実例

実際それでどんな感じになるか想像がつきにくいと思うので、実例をいくつかご紹介します。


M3グラントの場合

まず Before。

で After。重厚な質感になりました。溶剤をつけてこすると、濃い色が出てきます。


チャーチルMk.Ⅶの場合

Before。

Afterです。溶剤で擦っていない部分はもとの色で、擦った部分が濃くなっています。結果、良いグラデーションになりました。


カートアルマートの場合

まずは Before。

 After。色の変化は分かりにくいですね。。この時は筆を使ってゴシゴシとやっていて、傷は筆の絵の部分についている金属の角を使って、ガシガシとつけていました。塗装をアクリル溶剤で柔らかくしてから傷をつけることで楽にダメージ表現を入れることができました。


というわけで今回は2016年時点でほぼすべての戦車で行っているアクリル塗装剥がしを紹介しました。今後も Learn and Be Curious でいるべく、色々なやり方を試してみたいと思います。