写真に映り込むセンサー汚れのシミをサービスセンターで綺麗にする

感動しました。一眼レフのデジカメのシミみたいな汚れって取れるんですね!シミってやつぁ一度出てきたら容易には取れないものだと思っていましたが、中々どうして、綺麗に取れるものですね。シミよさらば。こんにちわ買ったばかりの時と同じ綺麗な写真。

喜びを表す適切な画像がなかったので京成バラ園で昔撮影した写真。

今回はNikonサービスセンターに購入して3年ほど経ち、いつのまにかセンサーに付着したゴミでシミが出来まくった写真ばかりになってしまった一眼レフのデジタルカメラが、2160円で完璧に復活したお話です。


一眼レフデジタルカメラの写真に写るシミとは

写真のシミは色々と理由があります。レンズの汚れくらいなら拭き取れば良いので特に問題ありませんが、厄介なのはセンサーの汚れです。センサーが汚れるとズームしようが広角で撮ろうが常にシミが写真に残ってしまいます。いつも同じ位置に黒いシミが残っているようなら、センサー汚れです。

センサー汚れが写り込んだ写真の例が下記です。

写真の左上が分かりやすいのですが、黒いシミがたくさん写っています。ちなみに背景はシミひとつないとても綺麗なものなので、シミはすべてセンターに付着したゴミが原因です。拡大するとこんな感じ。

こんな写真じゃお話にならないわけです。風景写真なんかを撮っていて、空にこういうシミが写り込んでいるのを見るとがっかりしますね。仕方がないので、レタッチツールで消したりして誤魔化すわけですが一度センサーについたゴミはそうそういなくならないので、取り除かないとずうっとこのシミがついてまわることになります。嫌なやつです。


センサーのゴミはなぜ付着してしまうのか

デジカメの仕組みを大雑把に言えば、レンズを通して得た光を本体にあるイメージセンサーを通して画像化しています。画像の大元であるイメージセンサーの上にホコリや糸くずのようなゴミが乗ってしまうと、こんな感じのシミが写り込んでくることになります。

一眼レフカメラの強みはレンズを交換できることですが、このレンズの交換が問題で、交換時にホコリが内部に入り込み、イメージセンサーに付着してしまう事があります。気をつけて取り替えても、気がついたら入り込んでいる困ったやつです。

ただし私の場合、こんなに大量についているのはモロッコのサハラ砂漠に行ってガシャガシャ撮っていたからだとは思います。砂漠の砂の細かさはやばい。

モロッコにあるメルズーガ大砂丘。登ると超楽しいわ怖いわ熱いわで死にそうになる。

いずれにせよ、どんなに気をつけても避けられないのがセンサー汚れということで、これがついたら対処をしないといけません。

ちなみに汚れを確認する方法で一番簡単なのは空を撮影することですが、F値を最大近くにまでして(F16以上)白い壁を撮影する、とかでもゴミがよく見えます。


一眼デジのセンサーゴミの取り除き方

センサーゴミには色々な除去方法がありますが、まずは最悪の方法からご紹介しましょう。ニコンのサービスセンターの話にだけ関心のある方はすっとばしましょう。


[最悪] カメラ本体の奥に指を突っ込んで拭く (Do not try)

これは私がヨルダンに旅行に行っている最中に汚れが気になって、乱暴にティッシュで拭き取ろうとして「ぐあー!」となった時の話ですが、真似をしないでください。必ず後悔します。

その時私はヨルダンのペトラ遺跡に1人旅で来ていました。撮影しているとレンズを吹いても消えないゴミがあり、その正体に天才的なひらめきで気づいたわけです。イメージセンサーに付着するゴミが理由であると気づいたわけですね。そこでティッシュで拭き取ることを考えたわけですが、海外旅行におけるティッシュは紙のないトイレに直面した際に唯一頼りとなる貴重な存在なわけで、デジカメのゴミの除去如き瑣末な問題で浪費して良いものではありません。

そこでシャツを引っ張って伸ばした布で拭き取ることにしたわけです。ちょっと窮屈な感じですが、気合いでどうにかなります。初めは優しく拭いて、空を撮影して汚れをチェック。まだ汚れているな、ちくしょうめ、ということでさらに拭いてチェック。あれなんか増えた。おいおい。ここからが勝負だとさらに拭くこと数回。途中から面倒になり指でかき回してみたりするわけです(致命的)。

そうしているうちに、むしろ汚れがひどくなりました。その上シャッターがちゃんと切れなくなってしまいました。半分くらい落ちたりするのか、撮影した写真が半分くらい黒かったりします。超やばいやつです。ただでさえ暑い中尋常じゃない汗が出てきて、その半分くらいはゾッとした時に出てくる冷や汗で、絶望的な気持ちになります。ウンウン唸りながら指で本体の奥をかき回すこと20分、なんとかシャッターが切れるようになりました。奇跡であります。シャッターが切れるとはいかに幸せなことか!ということを実感した私は汚れはあとでレタッチして取り除こうと決意し、旅の続きに入ったのでした。

下の写真はワディラムという砂漠地帯の写真。汚れがわかりやすい。これでも下手にいじってシャッターが下りないよりよほどまし。
こちらはペトラ遺跡の一番奥の方にある ジャバル・ハルーン(通称:モナストリー/修道院)と呼ばれる寺院。岩盤を掘り抜いて作ってあります。学生時代に行ったインドのエローラ遺跡ほどではないですが、建っている場所が尋常じゃない。たどり着くには結構な体力がいります。人のサイズが超小さい。シミ汚れは写真のレタッチツールで簡単に取れますが、数が多いと大変。でも撮れないよりまし。

いずれにせよ、カメラ本体に指を突っ込んでイメージセンサーを物理的に拭こうとしてはいけません。私の場合なんとか動いて良かったようなものの、シャッターが切れない状態に陥る可能性もあり超オススメしません。私はこの経験からイメージセンサー汚れがトラウマレベルに恐怖になっています。適当すぎる性格の人はこういう時に失敗するものです。


[簡単] ブロワーで吹き飛ばす

現実的に一番簡単な手法は、ブロワーにより吹き飛ばすという方法です。ブロワーというのは空気を手動で勢いよく噴き出すもので、これでゴミを吹き飛ばそうじゃないか、という理屈です。

シミが数点であれば、ブロワーで吹き飛ばすのが経済的です。ブロワーでゴミを吹き飛ばす時は、本体に下に向けてブロワーを吹くと良いです。本体が上を向いているとブロワーで吹き飛ばした途端に舞い戻ってきたり、新たなホコリが舞い込んできたりと、余計な問題がわさわさ湧いてきます。下を向けていれば落ちていくので良い感じなわけであります。

ブロワー以外でも良いのではないかと思われるかもしれませんが、扇風機やドライヤーの冷風とかでチャレンジすると、おそらく以前の私のような余計な問題を起こして後悔します。多くの先人が試した中で適切だと認識されている「ブロワー」を使いましょう。ブロワー内部にはホコリが入らないので、吹き飛ばす風で余計にゴミが増えたり、といった無駄な懸念がありません。


サービスセンターでセンサー掃除をしてもらう

この世で最も信頼できないものはなんでしょう。以前リリースまで4時間ほどに時間が迫った午前4時に、私が同僚に「自分を信じよう!」と能天気に励ましたところ「自分以上に信じられんものがあるかァァァ!」と限界に達した精神状態で逆ギレされ空き缶を投げつけられましたが(いいおもいで)、そうです、自分でやるとこういうのは失敗します

こういうのはプロにお願いしましょう、何も考えなくて良いのでとても楽です。

私の場合はニコンのおすすめ点検パックを利用することにしました。

「センサー掃除」をしてもらえるBコースは2000円。これはリーズナブル!(2018年03月時点)。このおすすめ点検パックは各地のサービスセンターに持ち込むことで受けられるそうです。

2018年03月時点で、サービスセンターは「銀座」「新宿」「名古屋」「大阪」の4箇所(詳しくはこちら)。幸いなことに新宿まで自転車で行けちゃうので、気軽にいくことにしました。しかし上記サービスセンターから遠い人の場合はコスト高めかも。

ちなみに持ち込みのみ対応しており郵送は不可だそうです。


Nikonサービスセンターでセンサー掃除をしてもらう流れ

さて「おすすめ点検パック」を受けるべくサービスセンターに行こうと思いますが、営業時間が10:30-18:30です。裁量労働とはいえそれなりのチームワークが求められる昨今、10:30に受け付けてもらっても出社が11時を過ぎてしまうわけで、なんだか少し嫌ですね。9:30からやっていてくれれば許容範囲なんですが、いけてません。

土日は土曜日のみ営業しているようなので、もはや土曜日にいくしかありません。やばい感じがふつふつといたします。きっとみんなおんなじこと思ってる。結論からいうと「平日行った方が絶対いい」です。土曜日がどんな感じだったかお伝えします。


ニコン新宿サービスセンターへ向かう

新宿エルタワー28階ということで近くに自転車を止めてビルに入ります。特に案内はないのですが高層階行きのエレベーターを見つけて乗り込みましょう。同じエレベーターが止まる階にハローワークがあるので何ともいえない気持ちになります。28階でエレベーターを降りると右手にニコンのサービスセンター入り口があります。私が行ったのは土曜日の13:30ごろでしたが、なかなかに活気ある感じになっていました。


受付で整理番号をもらう

新宿はサービスセンター右奥にカウンターがあり、修理の受付などを行なっています。整理番号の発券機があるので発券しましょう。受付と引取で別々になっているので、受付用の整理券をもらいます。私が行った時は受付待ちが前に6人いました。まぁ混んでいますがそんなものかもしれません。

カウンター上には現在処理中の整理番号が表示されていて、順番が来たら画面に番号が表示されます。6人くらいなら余裕かな、なんて思っていましたが衝撃の内容がモニターに表示されていました。

受付までのお時間70分前後」であります。70分であります。6人の受付をするのに70分とか意味がわかりません。私はおすすめ点検パックをお願いしたいだけで、しかしその受付に70分待てとニコンは言うわけです。そこから対応をすることになるのですが、すでにこの時点で当日の受け渡しは終わっており、翌日以降また来ないといけないわけです。まぁそれは妥当だとしても受付で70分です。ただ受け取ってもらうためだけに、私は特に何も見るものもない退屈なニコンサービスセンターでモニターに繰り返し映し出される宣伝を見ながら、70分自分の順番が来るまで待たなくてはならないわけです、背もたれもない椅子で!背もたれ無いとか何なの!!70分座る椅子じゃないよ!!


受付けてもらうのに1時間待ち、3分で受付が終わる

私は節度のある大人なのでで、待ちました。ちょうど村上春樹の騎士団長殺しを持って来ていたので(ある程度覚悟はしていた)静かに本を読みながら待っていました。背もたれのない椅子で。全く受付が進まないまま引取が次々と進行し、気づいたら受取待ちが12人になっていてキレそうになりましたが心静かに待ちます。ニコンはカスタマーを待たせるという事態に対して、一切の危機感を持っていないようです。

一向に進まない受付を待ち続けること1時間、ようやく私の受付番号が呼ばれました。待たされることが何よりも嫌いな私は、色々な思いを通し越してニコンが企業としてカスタマーサポートをどう考えるのかという姿勢そのものに疑問を持たずにはいられない心境です。もうニコン製品が並んでいるサービスセンターがクソの掃き溜めに見えてきます。

カメラ本体を取り出しカウンターに置き、「おすすめ点検パック」をお願いしたいと伝えます。一覧表が提示されるので、Bのセンサー掃除のコースをお願いします。店員さんが紙を取り出し、付属品をチェックし、製品番号を記録し、引取のための紙をもらうまで3分もかかりませんでした。

そうして1時間待ち続けた「受付」を3分後には終え、呆然とした心境のままサービスセンターを後にしたわけです。

サービスセンターに持ち込まれるものは人によって様々で、故障もあれば相談に近いようなものもあります。対応する店員はそれぞれのカスタマーの要望に沿って適切な対応をするわけで、確かに時間がかかるのも理解ができます。一方で私のような定型サービスを受けにきているカスタマーもいるわけです。ねぇニコンさん、定型サービスの受付は別のQueueにしてください。お願いします。バカバカしてくて死にそうです。


次の土曜日に45分引取を待ち、3分で受け取る

さて当日の受け取りはもうできない、ということなのでサービスセンターがお休みの日曜日を越して、月曜日の昼以降の受け取りです。とはいえ営業時間が 10:30-18:30 という多くの社会人ユーザーが基本的にこれない時間に親切にも設定されているので、翌週の土曜日に受け取りに行きます。ニコンは主要顧客層がサービスを受けられる時間がいつなのかをよく考えて欲しい。

土曜日は前回の轍を踏まないように早めに行こうと思いつつ、結局ついたのは11時ごろで、再び整理券をもらって順番を待ちます。今度は7人待ちです。土曜日のニコン新宿サービスセンターは熱いです。今日も延々とカスタマーを待たせ続けておいて、そのことを何とも思っていないニコンのサービスレベルは賞賛に値します。

引取は受付よりもずっとスムーズに進みました。なんとたった45分背もたれのない椅子で待っただけで引き取ることができたのです!ありがたいです。

カウンターに整理券と引取伝票を持っていくと親切な店員さんが(ここは皮肉じゃない)カメラを持ってきてくれます。付属品の確認と、製品番号を確認し、何をやったか、問題があったかなどを説明してもらい、受け取りました。3分で終わりました。定型サービスですしね、問題もなかったですしね、そりゃサクッと終わりますよね。

ちなみに隣で受付をされていた初老の女性に、別の定員が「引取開始は16時以降です。土曜日はこれからさらに混雑するので大変ですよ」と実に屈託のない笑顔で伝えておられました。何がそんなに嬉しいのか。君たちは混雑を緩和する努力を適切に行っているのか。どうして土曜日がこれほど混雑するかを考えた結果なのか。君たちのサービスはカスタマーが優先なのか、それとも従業員の勤務形態が優先なのか。何はともあれ土曜日のニコン新宿サービスセンターは熱いのであります。


プロがセンサー掃除をしたら完璧だった

ニコンサービスセンターには待たされましたが、重要なのはそこではありません。センサー掃除の結果であります。結論から申しますと、完璧でした。チリ一つありませんでした。

同じように撮影したにも関わらずゴミ1つ写り込みませんでした。なんと申しますか、やっぱりこういうものはプロにお願いするのが一番ですな。

値段は税込2160円でした。


[結論] 一眼レフのデジカメのセンサー掃除はプロにお願いするべき

いろいろ書いてきましたが、写真にシミが写り込むような場合は、プロにセンサー掃除をやってもらいましょう。ニコンで2000円、キャノンだと3000円程度です。特に一眼レフのような高額なものは、にわかの素人が手を出さずにプロにやってもらいましょう。

サービスセンターは待ち時間が非常に憂鬱ですが、有給休暇や午前休を取るなどして平日に行くことをオススメします。土曜日が混雑するのは、土曜日にカスタマーが集中することになるような時間帯にしか平日営業していないからだと気づいていない様子ですが、土曜日のニコンサービスセンターは地獄です。平日いきましょう

ニコンサービスセンター

値段もセンサー掃除の結果も最高なだけに、サービスセンターのオペレーションレベルの低さが際立ったものになりましたが、そんなサービスセンターに関わりたくない人には自分でできるイメージセンサー掃除グッズとかもあるので参考にしてみてください。