本当に履帯が重かった黒森峰のヤークトパンターの製作/塗装であります!

Jagdpanther Early Version - Girls und Panzer, Kuromorimine

「うちの履帯は重いんだぞーっ!」と叫んでいたあの子が印象的な黒森峰女学園のヤークトパンターです。今回も正確さは置いておいて、カッコよく仕上がればそれで良しのスタンスを貫きつつ筆塗りで塗装して参ります。今回は初めての連結式履帯(履帯を1個ずつ繋げて作るやつ)だった事もあり、げっそりするほど疲れつつ、ヤークトパンターの履帯は確かに重い(作業量的に)ことを思い知ったわけでした。そんなわけでどーん。

超かっこいいですね!前から見ると変な顔をしているんですが、後ろ姿がいいんです。最近戦車の後ろ姿がたまらなく好きで、記事のメイン写真が後姿ばっかりという…。それはそれでどうなのか。

横から見るとこんな感じです。ガールズ&パンツァーに登場する黒森峰学園のイメージで作りました。かなり使い込まれた風合いにしています。劇中のものと異なり色々な装備品を載せているのは、そういうのを載せないとのっぺりとして面白くないから。というわけで恒例の塗装レシピ。




黒森峰ヤークトパンターの製作

今回使うのはグンゼ産業のヤークトパンターです。キット表紙にはJagdpanther (Sd kfz 173) Early Versionと書いてあります。ネットオークションで購入しました。びっくりするくらい箱の大きなキットなのであります。

通常購入するならタミヤか、プラッツから出ているヤークトパンターでしょうか。

深く考えずににゃんこと戯れながらひたすらキットを組み立てます。説明書の通り進めていくと、当然ながら黒森峰のヤークトパンターと違うところがどんどん出てきますが、強い気持ちでスルーします。また砲身がグラついてすぐにお辞儀をしたように垂れ下がってしまってどうにも情けない姿になってしまうので、ほぼ動かないように固定してしまいました。砲身上げ下げくらいは出来るようにしてあげたかったが、そこはもう、技術力の問題なので諦めるしかない。


初の連結式履帯に挑戦

組み立ての途中写真は例によって忘れてしまったので(ずぼらなんです典型的なO型なんです)、履帯の組み立てシーンから。履帯がですね、一個ずつなんですよ。実はこれが初めての連結式履帯でして、もう見た瞬間にくらくらっと来ちゃったりします。片側だけでいくつあるか分からない(一応数えたんですが忘れてしまいました。。100前後?)履帯のパーツを遠目に、心の中でまじかよと呟きつつ、触るのが恐ろしくてしばらく2週間くらい放置してしまいました。とはいえぼうっと眺めていても勿論履帯が組みあがってくれちゃったりはしないので、腹をくくってやってみたわけで、その経過がこちら。

ランナーからニッパーでプチプチと切って、切れ目が汚いものは仕方がないのでデザインナイフで地味に整えて、接着剤でくっつけます。この時は流し込み接着剤というのを持っておらず、タミヤセントで地味にくっつけたりしていました。振り返ってみれば楽しかったような気もするし、もう2度とやりたくもない気もするし、でもそのすぐ後に作ったM26パーシングでまたもや同じタイプの履帯に直面し、僕はちょっぴり成長したりしました。パーシングのときの履帯組み立て写真がこちら。

マスキングテープの粘着面を上にしたところに履帯をくっつけていき、流し込み接着剤で一気に固め、半乾きになったところでぎゅいーーんと巻きつけるという、ちゃんとネットで調べれば出てくるあの方法です。一歩前進です。ただこのヤークトパンターの時は勢いで作っていたので、地道に一個ずつ付けて、何個かの塊にしてから巻き付けようとし、硬くて巻きつかず無理にやろうとしたら分解し、長さも合わず、何度も心が折れそうになるのをこらえつつ、クオリティはもはや二の次である、と心の中で叫びながら、どうにかこうにか作り上げたのでした。

やった。両側とも何とか巻きました。微妙にガタガタしているような気がしつつ、強い気持ちで僕は「許容範囲である!」と叫んだのであります。広い許容範囲は世界を救うのであります。



黒森峰ヤークトパンターの塗装

すでにこの時点で車体は塗装済みなのですが、時間を巻き戻して塗装のスタート地点へ。黒森峰の色にしたい!という思いはありつつ、Mr.カラー 特色セット CS202 ガールズ&パンツァーカラーセット 黒森峰女学園Ver.の黒森峰ゲルプⅡの大半をエレファントで使ってしまっていた僕は、その色を参考に調色を試みるのでありました。というわけで何となく近そうな、タミヤアクリルのカーキと、カーキだけでは暗すぎるので、すぐそばにあったフラットフレッシュを混ぜてみることにしました。カーキ7にフラットフレッシュ3くらいでしょうか。

何とかそれっぽくはなりましたが、エレファントと比べると大分色が違うなぁとは思います。難しいです。誰か黒森峰ゲルプⅡの調色方法を教えて欲しいです。。この色ばっかり無くなるんです。。まぁでもおおよそイメージに沿った色合いにはなりました。

細部の塗装をして、お楽しみのウェザリングに入ります。墨入れはスミ入れ塗料のダークブラウンを使いました。黄色系にはダークブラウンがしっくりきます。チッピングはブラウン系を使おうと思ったのですが、家にある塗料をつらつらと見ていると、チハを塗装したときに使った土地色が目に入りました。というわけでさっそく採用し、スポンジに色をつけてペタペタと(実際は塗料の粘りが強いのでべたっ、べたっという感じ)ランダムに色を置いていきます。角の部分は恐れずにどんどんやっていきます。面のところはあんまり派手にやると目立ってしまうのでおとなしめにやっていたら、おとなしくないものがベタッと付いてしまい、それを誤魔化そうとあれこれやっていたら、どんどん汚れが激しきなってゆき、下の写真のような状態に着地をしました。

誤魔化しが効かないところまできてしまうと、スポンジをぎゅっと押し付けてそのまま下へずずーーっと擦り付けたり、塗料のついた小さなスポンジ片をローラーのようにぐるぐると押し付けたりと、新しい技に色々と目覚めちゃったりして、とても楽しくなってしまいました。

お次はドライブラシです。角のところ、チッピングを入れたところに金属色を乗せていくことでそれっぽくします。いつものようにタミヤエナメルのメタリックグレイを使いました。

次はドライブラシです。角のところ、チッピングを入れたところに金属色を乗せていくことでそれっぽくします。仕上がりはこんな感じ。

思った以上に格好良く仕上がりました!そしてチッピングの色がいい。土地色いいじゃないか。

最後にパステルで少し情報を増やして雰囲気をあげます。最近は車体のコントラストをしっかりつけることに凝っているので、あえて明るい色を暗い色の近くに置いたりする遊びをします。セントーをぐじゃぐじゃに塗装して面白かった経験が生きています。

パステルは相変わらずダイソーの100均ものを使っていて、茶こしで削って使います。ライターオイルで軽く溶いて、色をつけたいところに少しだけ点を書くような大きさで置きます(ベタッと塗ると大変な事態になります!)。1分ほどして乾いたところで爪楊枝や指の腹でこすってほぼ落としつつ、少し残るようにしたりします。下の写真の予備履帯の付いているすぐ下のところとか、ちょうどそんな具合にやっています。

転輪にやるときはライターオイルでびしゃびしゃになるくらいにして、突起のあるところに流し込んでいきます。均一にやってしまうと面白くないのでランダムに濃淡がでるように、わしゃーっと大雑把にやっています。細かい作業は苦手なのです。

最後にウェザリングマスターのマッドで履帯をそれっぽくして完成!ちょっと履帯はもう、何というか色々と大変だった思い出がつらくて、あんまり手を入れたくなかったのでマッドを擦り付けて終了にしたのでした(ぅぅっ)



黒森峰ヤークトパンターの完成ギャラリー

大変でしたが完成しました。履帯をつけている時はああもう今の僕の技術水準じゃとても完成できない、と頭を抱えたものでしたが形になって良かったです。つらかった分、思い入れも強くて、当分手放せそうにありません。

車体のバランスが均衡が取れているとは言いづらいものなので、部分で切り取ったほうが写真写りは良いですね。それにしても凄い砲身と前面傾斜。正面から撃ちあいたくないですね。ドイツの戦車はまったくえげつない…。

正面から。箱絵に近いかたち。

ヤークトパンター、車体後部。なんというか、パンターですね。パンターの車体をそのまま流用して作れらた戦車なんだから、そりゃそうだ。

ヤークトパンター、車体上部。この上部構造がとても気に入っています。胴長なところに色々と開きそうなパーツがどっさり(でも開かない)。チッピングとドライブラシと墨入れがバッチリ決まったぜいえい!という会心の出来。

というわけでヤークトパンター、とても満足のいく出来となりました。一時はもーダメだぁぁというところまで落ちてからの、この着地なので喜びもひとしおというもの。眺めているだけでパンツァーリートの鼻歌が止まりません!

最後にいちばん気に入っている最初の写真をもういちど。

戦車作りが楽しすぎる今日この頃なのであります。