[戦車塗装] トランペッター中国59式戦車(ソ連T-54) を作る (後編)

さて前編に続きまして後編であります。前編ではデカールを貼るところまでいきましたので、ここからは躊躇なく汚したり何だったりをして楽しんでいきたいと思います。


中国の59式戦車 (T-54) の塗装

前編の最後がこの状態でした。

スミ入れ、デカール当てが終わり、つや消しトップコートを吹いた状態です。けっこういい感じになってきていますが、せっかくなので色々と実験的なことをして遊んでみたいと思います。


スパッタリング

スパッタリングというのは泥はね汚れを実現する手法のことで、エアブラシでもできるようですが、僕は筆を使ってやっています。

実はこの戦車を作ったのはけっこう前で、何となく記事にしていなかったのですが、M60A3くんを作った時にやったスパッタリングを初めて試してみたのがこの車両です。実験機扱いで悪いことした。。

59式くんで中々いい感じだったので、M60A3くんにもやってみたわけです。まずは硬い筆の、毛先を切ったものを用意します(僕の場合豚毛の筆です)。

そこにフラットアース(本当はエナメルが良かったのですが無かったので仕方なくアクリルのフラットアース)をとります。やや水で薄めると良いです。

で筆の先をバラバラっと指で弾くようにして、塗料の飛沫を車体に飛ばすわけです。そうすると、こんな状態の車体が、

こうなります。

オラオラでやっているもので砲塔までかかってしまっていますが、いいじゃあないですか。それっぽいですし。僕の場合やや荒っぽいので指でそのまま弾いていますが、もうちょっとやり方は考えても良い気がします。指先がフラットアースで染まります。だがそれがどうした(雑)


油彩具で表情付け

オリーブドラブ + 油彩具のイエローオーカー = いいかんじ、という鉄壁の方程式に沿ってイエローオーカーを点付けして指や硬い筆で広げました。いい感じになったのですが写真はなし。。イエローオーカーがハイライトの役割を果たしてくれるので、墨入れで暗くなった車体に明るい部分ができてメリハリが生まれます。


サビ汚れを入れたい

続いてサビ感のある汚れを入れてみたいと思います。使うのはホルベイン油彩具から「バーントアンバー」と「バーミリオンヒュー」です。適当に少しずつ出して、ライターオイルで溶かします。

溶かした液体を筆にとって、適当に車体に流し込んでいきます。

車体の後ろ側はいい感じになるので何度か流します。

ライターオイルを使っているので数分で乾燥してきますが、境界線がくっきり残ってしまう部分が出てくると思うので、そうしたら綿棒でこすってボカシます。油彩具なのですぐにはパリッと乾かないのです。乾燥してきたところで微妙に調整ができるのが、油彩具の便利なところですね。

気に入らなかったらエナメル溶剤で拭き取れば無かったことにしてやり直しができるもGoodであります。


ウェザリングマスターで仕上げ

何となくボロそうな戦車なので、鉄らしさを出すべく、ウェザリングマスターのFセットで金属光沢を部分的につけておきます。金属の粉を付属のハケにつけて擦り付けるだけなので簡単。

足回りはAセットの粉をライターオイルに溶いたもので砂汚れを適当につけておきました。また一応、ということで履帯は瞬間接着剤で車体に接着しておきます(あんまり良い具合にたるみがついた感じにはできなかったです。。。)

というわけで完成〜。



中国の59式戦車 (T-54) の完成ギャラリー

いやぁかっこいい。T54がかっこいいんですね、そもそも。全体的に作りが大味で細かいパーツなんて全く無いようなキットでしたが、まぁソ連の戦車がだいたい大味感があるので、そういうものなのかもしれません。

砲身が長くてかっこいい!

横から見てみます。

強そう。続いて前から。

堂々としています。後ろから。

続いて細部を見ていきます。

オリーブドラブをムニついたところにイエローオーカー、さらにスパッタリングのフラットアース、最後にサビ汚れ色の油彩が流れて複雑な色合いになりました。星のマークもいい感じに汚れてくれました(よく破れずにもった)。

車体後部は特にサビっぽい塗料の流し込みがうまく機能したと思います。

とてもグッとくる仕上がりになりました。こんな感じになるのは予想していなかったので、やっぱり実験は大事です。気合いを入れて製作をしてしまうと、塗装で冒険ができなくなってしまう(気持ち的にね)ので、こういう安くて気軽に実験ができるキットは大変有用なのであります。

上から見たところ。かっこいい。最後に何枚か記念撮影をば。

以上であります!



まとめ

今回は初のトランペッター製キット、しかも謎の中国戦車、という組み合わせで戦車を作ってみました。多分に実験をしまくった車両ですが、仕上がってみれば非常にかっこいいものになりました。思い切って滅茶苦茶にするくらいの勢いでやると、いい感じになるのかもしれない、というやや危険を孕んだ気づきを得られた一輌でした。

安かったので同時に何輌かトランペッターのキットを購入してしまったので、また別の機会に作って見たいと思います。それでは!