[戦車塗装] Ⅰ号指揮戦車をジャーマングレイ風に仕上げました

German Small Armed Command Tank (Sd.Kfz.265 Panzerbefehlswagen / kleiner Panzerbefehlswagen), Italeri, 1/35

戦車の箱が積み上がっております。罪を重ね続けている僕のようなダメ人間はひたすら頑張って箱を消化していくしかないわけですが、箱として弱々しそうな今回のⅠ号式戦車を見るとなんだか簡単に作れそうな気がして手を出してしまうわけで、手を出した後で簡単に組みあがらないのでモヤモヤしたりいたします。

今回はイタレリのへにょへにょな箱に入っていたⅠ号指揮戦車を製作します。ドイツの Ⅰ号戦車を指揮車両として改造した、ちんまり可愛い戦車です。ここにDragonの Hetzer Command で乗せなかった戦車長フィギュアにケーブル的なものを追加でつけて乗せてみました。

細かく色を塗り分けたのもあって、かなり気に入った1輌になりました。小さいケースに入れてテーブルに置いておいても邪魔にならないので、よく眺めています。



Ⅰ号指揮戦車の製作

さて製作ですが下記のキットを使いました。タミヤのキット等とは違って蓋と箱に分かれているわけではなく、お菓子の箱のように横から開けて中身を取り出す感じです。いい感じに箱も痛んでいますし、薄くて簡単に作れそうです。

説明書とランナーを見て肩をがっくりと落としたわけですが、それはランナーにパーツ番号が書いていなかったからです。説明書に書いてあるランナーと番号を見ながらパーツを探すというパターンです。これはきつい。

説明書とにらめっこをしながら1つずつパーツを切り出し組み立てていきます。パーツ点数はさほど多くはないのですが、タミヤのキットの2倍くらい掛かります。。ランナーに番号が書いてあるのは当然だと思っていましたが、当然ではない世界に足を踏み入れてしまうと、向こうの世界が楽園に見えて仕方がありません。

履帯はベルト式のゴム履帯なので、たるみをつけておきます。車体にピンバイスで穴を開けて、5mmの真鍮線を車体に通しました。

穴を開けて真鍮線を通したところ。履帯の幅が狭いので真鍮線をどこまで伸ばすかが難しい。

接着剤で真鍮線と車体を固定します。お気に入りのゼリー状セメダインくんは先日入口が固まり、力づくで押し出そうとしたところ胸からゼリーが噴き出すという大惨事に至りました。南無。

というわけで立ち上がりました。

あんまり上手に履帯のたるみは出ていませんね、、難しいですな。。まぁでも真っ直ぐよりは幾分か良いので良しとします。ちなみに真鍮線を指でグイグイ押し下げるとたるみはいい感じに調整できました。が、しばらくすると戻っていたり。。。ううん。履帯の弾力つよし。


Ⅰ号指揮戦車の塗装

さて今回は箱絵を尊重してジャーマングレイ風に仕上げようと思います。ただ、どストレートにジャーマングレイを使って塗装をするともはや黒に近い状態になってしまうので、一段階明るいダークグレイを使っていきます。模型のように小さなサイズのものは明るめに塗装して丁度良いそうです。


基本塗装

というわけでアクリル塗料のダークグレイフラットホワイトを混ぜた塗料で筆塗り塗装します。2度塗りです。


細部塗装 + デカール

細部を塗装してデカールを貼ります。

木部はアクリル塗料のバフで塗装して、後からエナメル塗料のレッドブラブンを流して拭き取りました。消化器はアクセントになるようにレッド、予備履帯はサビ塗装の方法でクレヨンを溶いたものを塗っています。

デカールが実は失敗で、非常に古いキットだったのでデカールの余白が白化していました。貼り付けて乾燥後にトップコートを吹いて、翌日しげしげと眺めてみて「あー。」と思ったものでした。こういうのはやはり手間でもなるべく余白を切り出してから貼ったほうが良かったですね。当初こんなに気に入る出来になるとは思っておらず、お手軽な気分でやっていたのが良くなかったです。

後部のマフラーは謎めいたテカった暑いゴムに穴がたくさんあいている素材を何とかしてつけろと書いてあったのですが、なんともならず、脱力して無理やり瞬間接着剤であてがってあります。それに伴いマフラーのサビ塗装もかなり大雑把に。。。


ドライブラシ

お気に入りのドライブラシタイムです。暗い色合いだと面白くないので、ドライブラシで思い切り明度を上げてしまいます。

おお、かっこいい。エナメル塗料のフラットホワイトを使っています。ドライブラシの詳細はこちら。

サビ垂れを入れる

今回はサビ垂れを入れてみようと思います。油彩具のクリムゾンレッドで突起部から下にうっすらと色を入れて、エナメル溶剤を含めた筆でこすってぼかしてみました。

思った感じにならないので無かったことにしました。。。


もう一度ドライブラシ

ギラギラしたい気持ちになったので、今度はエナメル塗料のメタリックグレイでドライブラシをします。すでにホワイトで一度やっているので薄っすらと入れる感じです。

こんな風になりました。かわいい。


ウェザリングペーストで足回りを汚す

ここで先日手に入れたウェザリングペーストを使ってみようと思います。どさっと入って500円ほどなので中々にリーズナブルであります。購入したのはマッドホワイト(泥)でした。粘度が高めのペースト状なので、今回はまぁ失敗しても良いか、くらいの気持ちで足回りに塗ってみます。

筆に少量をとって転輪につけていきます。伸びは良いので少量から始めるのが良さげです。つけすぎたところは硬い筆で削り落としました。

乾燥すると乾いた泥汚れにしか見えない仕上がりに。これは楽でいい!足回りは暗くなりがちなのですが、この色であれば汚さもあまりなく、むしろ全体的に明度が上がって良いのではないかと思います。気に入ったのでちょいちょい使っていこうかな。

車体の下部にも泥汚れとして適当につけてあります。


フィギュアの塗装

今回は戦車長としてDragonのHetzer Command に付属していた戦車長を引っ張り出してきて塗装しました。下手くそなので割愛!

というわけで完成であります。


Ⅰ号指揮戦車の完成ギャラリー

車体が小さいので戦車長殿の存在感がすごい、1号指揮戦車くん、完成であります。

大変明るく仕上がりました。最近は明るめの色合いで仕上げる事が多いです。飾った時に見栄えが良いんですよね。

戦車長殿のヘッドフォンから伸びる赤いコードは見よう見まねでつけてみました。先日嫁さんが買ってきたオシャレなケーキの周りを包んでいた大変薄い透明プラ板を細切りにしたものです。薄いとハサミでさっと切れるので楽ですな。

車体下部の汚しはウェザリングペーストだけで今回は仕上げましたが、他のものと合わせて使ってみても良いかも。ちょっと単調になってしまいました。ただ仕上がりはとても満足。いつかクリアとかも使ってみたい。

反対側。真鍮線による履帯のたるませとしてはこれが2回目ですが、まぁ、まぁまあ、というところですかね。写真で見ると色々違和感も高まりますが、実物を見ていると全く気になりません。性格的なところはあるんでしょうけど。。。

後ろから。案外見られる状態に仕上がりました。

遠目に見ると大変いい感じです。細部の塗り分けはやりすぎかな、くらいに彩度の高い状態で塗った方が細密感があって良いのかもしれません。

ちっさい戦車にふんぞり返る戦車長。お気に入りの1輌になりました。



まとめ

今回はイタレリの古いキットを作ったのもあって中々苦労をしましたが、仕上がってみれば実に面白い1輌になりました。たぶんこれまで作った中でも1番小さな戦車だと思いますが、こじんまりとした感じが飾るととても良いです。

そしてフィギュアはやっぱり乗せた方が面白いですね。面倒くさがらずにちゃんと塗ります!