[戦車塗装] メルカバMk.Iをシナイブルーで仕上げたら超かっこいい (前編)

Israeli Main Battle Tank - Merkava Mark I, Tamiya, 1/35

ひどく情緒的な見出しになった今回は、タミヤさんのメルカバMk.I をグリーンを通り越してブルーになった色で塗装したら超かっこいいよ!という感動をお伝えしてまいります。勝手にシナイブルーと名付けました。シナイグレーがあるならシナイブルーがあったって良かろう。うむうむ。

イスラエルの紅海沿いの街であるエイラートで遊んだ僕にならきっと勝手に呼称する最低限の権利がある!ヨルダン側のアカバでのひとりシュノーケリングは楽しかったなぁ。えらい日焼けしたなぁ(トオイメ)

実は先日アカデミーのメルカバMk.Ⅲのキットを入手しまして、どう塗ったものかと考えていたのですが、海外モデラーの方が製作されたブルーに近いグリーンで塗装したメルカバくんが異様に格好良く、ようしひとつこれを作ってみるべえと思った次第であります。

とは言えそんなやんちゃな色合いをレシピも無い中でいきなりMk.Ⅲにぶつけるのもいかがなものかと思い、キットが余っていたメルカバMk.I でどんな具合になるか、試しに塗装をすることにしたのが、今回のメルカバMk.I シナイブルーバージョンでございます。

何というかもう、尋常ではなくかっこいいのであります!いやっほうであります!




メルカバMk.I シナイブルーの製作

タミヤさんのキットなので特に迷わず作りました。最近デザートイエロー版を作ったばかり、というのもあってまぁサクサクできました。

そして実験的な試みだったこともあって写真は細かく撮っておりませんで、製作完了時点の写真はございません。。ワイヤーロープについては、キット付属のものが折れてしまい使い物にならなかったので、面倒な気持ちになり省略しました(おおらか)


メルカバMk.I シナイブルーの塗装

今回も筆塗りでちまちまと塗っていくわけですが、海外モデラーの方の作例に触発されてシナイブルーで塗装をしてみることにします。


基本塗装

基本塗装の調色がポイントであります。アクリル塗料のフラットホワイトをベースに(全体の6割)、フィールドグレイ(2割)、フラットブルー(2割)の割合で塗料を混ぜて調色します。

調色具合が大事!とか言いつつ、結局リビングのオレンジがかった色合いのもとでゆるゆる塗装するという残念な具合で塗っていました。写真の色も違和感がすごい。。。

2度塗りをしてプラの色が見えないようになりました。ただ全然格好良くない。


ムニつき

アクリル溶剤で表面をこすって筆ムラとかが良くわからないように誤魔化します。剥がしたくはなかったので、柔らかい筆にアクリル溶剤を含めて撫でるようにして整えました。

最近はおよそ塗装から1日を置くようにしています。塗って1時間とかでやると、簡単に塗装がぐにゅっと剥がれてしまうので、1日くらい置いたほうが強弱で調整ができるようになるため、コントローラブルで良いかと思います。


スミ入れ

格好良くないので不安に思いつつ、車体全体に濃い目のスミを入れます。エネメル塗料のフラットブラックを使いました。車体全体に塗り込むようにして入れました。車体けっこう黒々とします。

乾燥したところで、綿棒で丁寧に拭き取りました。2時間くらいかかった気がします。。。ただやっていく過程で明らかに格好良く引き締まってきているのが良く分かるので、楽しんで進められました。

サイドスカート周りは縦筋の汚れが残るようにあえて拭き残しをしておきました。

ちなみにどうしてリビングで塗装しているのかといえば、コタツから出たくなかったからであります!コタツから出て作業するなんてインポッシブル!筆塗りならコタツの一部を保護してあげればコタツで戦車が塗れるのであります!勝った!エアブラシに勝ったよ!!完全勝利だよ!!
※ 塗装時は3月ごろ


細部塗装とデカール貼り

ライトや予備履帯、機銃等を塗装しました。デカールは付属のものをマークセッターを塗りつつ貼り付けます。この時点でつや消しトップコート吹き付け。


チッピング

普段のチッピングは目の粗いスポンジで適当にぽんぽん当てる形でチッピングをするのですが、今回は細い筆を使って塗装剥がれ的な痕を丁寧に描いていくことにします。新しいことにチャレンジしていかないとなのです。

今回はチッピング後に雨だれやサビ垂れ等をエナメル溶剤でボカしつつ入れたかったので、チッピングはアクリル塗料で行うことにしました。基本塗装もアクリル塗料なので失敗すると結構取り返しがつかない系のやばい作業ですが、まぁなんとかなるか、ということで実施します。

細めの筆にジャーマングレイを筆にとってちまちまと剥がれっぽく見えるようなギザギザ感のある書き込みを入れて行きます。

こんな感じになりました。

こちらは完成写真からのご紹介。エッジ周りを中心に描き込みますが、今回は面への描き込みも実施しました。細く斜めに線を入れてみたりしています。塗料が乗りすぎた場合は、爪楊枝でひっかくといい感じに分散したり、傷っぽくなって良かったです。

塗料をべたっとつけなければ、案外なんとかなるな、という思いがいたしました。

こちらは正面装甲板まわり。疲れてやや雑になっている感はありますが、車体に入っている溝の周りにジャーマングレイのチッピングを入れることで切れ目がよりくっきりとして印象的になりました。また、溝以外にも装甲板の傾斜が変わる場所がいくつかあるのですが、そこに意図的にジャーマングレイの線を入れたことで立体感が際立ったように思います。

メルカバMk.I の正面装甲は広くてのっぺりと見えますが、この細かな傾斜の変わる地点に線を入れてあげることで一層かっこよく見えるようになりました。


サビ垂れ

続いてサビ垂れと泥汚れの垂れたもの(海外モデラーの作例をみて格好良かったので真似してみただけ)を入れてみます。

まずはサビ垂れ。以前サビ塗装用に作ったクレヨン粉が余っていたので流用します(手抜き)。100均で売っているようなオイルクレヨンの赤茶と黒少々にライターオイルを数滴加えて液状にしたものをサビ垂れを入れたいところに上から下にすっと、筆で描いていきます。
(※詳しくは「戦車の排気管/エンジン部を簡単にサビ塗装する方法」参照)

太さや濃さはあまり気にせずにやっちゃって良いです。ただしなるべく真っ直ぐ重力の方向に描くと良いと思います。僕はあちゃーな失敗が何箇所かありました(が気にしない)。

ライターオイルは数分で乾燥するので、すぐにボカしの作業に移ることができます。エナメル溶剤を筆にとって(溶剤が筆から垂れず、塗った時にビシャッとならないくらいに、適度に落とした方が良いと思います)、先ほど塗ったサビ垂れの線の左右からボカしていきます。

サビ垂れの線の真上からだと溶かしきってしまうことがあるので、左右から攻めるとちょうど良い具合に溶かせます。

こちらも完成写真ですが、赤いのがサ垂れの部分です。

チッピングをしたところを頂点にしてサビ垂れを描いてボカしたり。こんな感じでサビ垂れ汚れを描きました。写真が少ないのはいつも撮影に使っている白色色のある場所に行くのが寒くて嫌だったからではありません。


ドライブラシ

続いてお気に入りのドライブラシ工程です。墨入れやらチッピングやらで全体の色味を暗く落としたところでやる、ハイライトの書き込みが僕はとても好きです。ドライブラシできゃっほう!となるためにワザワザ暗くなるように汚していくような気さえします。

最近のマイブームは油彩具のホワイトによるドライブラシで、油彩具なので全然ドライじゃなくてベッタベタになる上にその後1日くらいは乾燥待ちをしないといけない微妙な感じにはなるのですが、どうも質感が気に入っていて最近はよくやっています。

今回はホルベイン油彩具セットに入っている、パーマネントホワイトを容器に少しだけ出して使いました。ほんの少しだけ筆にとったら、適当な容器に擦り付けて余分な塗料を落とします。油彩具は乾燥が遅いので、擦り付けた分もあとで使えるので経済的な気がいたします。

またしても完成写真で何ですが、エッジ周りを中心に塗料をある程度落としたパーマネントホワイトを、筆をサッサッと突起部をかすめるように動かしてハイライトを入れていきます。エッジ周りはチッピング入れただけではちょっと汚いのですが、ハイライトを入れると格好良く見えるので不思議なものです。

全体にハイライトを入れたら完成は間近であります。最後に泥汚れを入れていきます。


泥汚れ

この辺りまでくると気持ち的に、ほぼ完成した感があって、一気に力が抜けてきてしまうのですが、本当は履帯周りや車体下部も力を入れてやるのが正しい姿なのでしょう。分かってはいるのですが、どうにも転輪を汚しまくるのは好きじゃなくて、なるべくあっさりしておきたかったりします。

いずれただ汚れているんじゃない、何というか、ああこれは素敵だね、と思えるような車体下部のおしゃれな汚しを見つけていきたいところです。

今回はもう、何だかやりきった感が出てきたので、サクッとやろうと思います。最近お気に入りのウェザリングペースト君です。たっぷり入って汎用性の高い、とても便利なペーストで、僕はマッドホワイトを愛用しています(着色すれば色々対応できますし)。

これを少量筆にとりまして、サイドスカートを中心に下側や、サビ垂れ同様に上から下に入れるような形で、ドライブラシとは異なるハイライトの入れ方として入れていきます。

ここまで来ると写真のホワイトバランスが変でも超かっこいいですね!

ウェザリングペーストのマッドホワイトは、ドライブラシ的に使えるのも良いところで、転輪周りは湿り気を落とし気味にしたこのペーストでドライブラシをしています。

クリーム色に近い泥汚れがウェザリングペースト(WP) のマッドホワイトを使っている部分です。転輪の突起部分やタイヤの細かいツブツブが、ドライブラシ的に使った部分。お手軽にいい感じになるので重宝しています。別のカラーも買おうか悩みましたが、結局クリアだけ購入しました(まだ使っていない)。別の戦車で赤土っぽくしたくて実験をしてみたのですが、マッドホワイトに油彩具を混ぜて赤茶色にしたらそれらしく色がついて使えました。うーん便利。

履帯のウェザリングはいつも通り「戦車履帯のお手軽100均ウェザリング」です。

というわけで完成!次回完成ギャラリーをお届けします。