製作編に続いて塗装編であります。前回サーフェイサーを吹いて下処理を終えるところまでやりましたので、今回から塗装をしていきましょう。
フィギュアの塗装と言っても 1/35スケールですからもう単三乾電池ほどのサイズです。ある程度塗り分ければそれらしく見えます。完璧を求めすぎると自己嫌悪で先に進めなくなるので、まずは完成を目指しましょう。
今回は結構普通に塗れちゃってる感を出していますが、ミリタリーフィギュアを20-30体くらいは試行錯誤をしつつ塗っています。ガルパンフィギュアも12体ほど。結局のところ数は重ねた方が良いのだと思います。
ちなみに前回の記事はこちら。
1/35ガルパンフィギュアの筆塗り塗装
ざっくりと私のフィギュア塗装のステップをご紹介します。
- アクリル塗料(タミヤ or ファレホ)で下塗り
- スミ入れ
- 油彩具でハイライト塗装
スミ入れはしないこともあるのですが、今回のように服に細かい輪郭がある場合はスミ入れをした方が造形が際立つのでスミ入れをします。
アクリル塗料(タミヤ or ファレホ)で下塗り
まずは下塗りです。下塗りといってもこれがベースの色になるので、しっかりと選んでいきましょう。指定色を使っても良いですし、パッケージを見ながら自分で決めても良いでしょう。
今回は手持ちの塗料から下記で調色しました。
大学選抜チームフィギュアセットの塗装レシピ
- 筆塗りのみ
- 【ジャケット】タミヤ アクリル塗料 XF-24 ダークグレイ つや消し
- 【ジャケット】タミヤ アクリル塗料 XF-2 フラットホワイト つや消し
- 【スカート/袖/帽子】タミヤ アクリル塗料 XF-63 ジャーマングレイ つや消し
- 【肌色】ファレホ (Vallejo) モデルカラー #018 フラットフレッシュ
- 【肌色】ファレホ(Vallejo) モデルカラー #006 ライトフレッシュ
- 【髪の毛:島田愛里寿】タミヤ アクリル塗料 XF-57 バフ つや消し + タミヤ アクリル塗料 XF-2 フラットホワイト つや消し
- 【髪の毛:メグミ】タミヤ アクリル塗料 XF-63 ジャーマングレイ つや消し
- 【髪の毛:アズミ】タミヤ アクリル塗料 XF-10 フラットブラウン + タミヤ アクリル塗料 XF-7 フラットレッド + タミヤ アクリル塗料 XF-2 フラットホワイト つや消し
- 【髪の毛:ルミ】タミヤ アクリル塗料 XF-63 ジャーマングレイ つや消し
※ ルミは塗装例で見ると黒髪だったのでそのように塗ったのですが、良く思い出して見ると青みがかった色をしていたので、油彩具で思いっきり青い色に塗り直しました。なんとかなるものです。調色するとしたらグレー+ブルー+ホワイトでしょうか。
タミヤアクリルかファレホか
さて塗料の種類は何を使うか、という問題があるわけですが、私は筆塗りということもあり、水で洗い流せるアクリル塗料を使うことが多いです。筆を簡単に洗浄できるのが気に入っています。タミヤアクリルもファレホもアクリル塗料です。
通常タミヤのアクリル塗料で戦車を塗るので、色の種類は多く持っています。金額は1ビン120円前後と実にリーズナブル。模型店ならどこでも売っているので簡単に購入できます。私はもっぱらヨドバシさんに届けてもらっています。安くて塗りやすいのですが、乾燥しやすいところがあって、フィギュアの量だとビンを振って、蓋についた塗料で塗るのですが、乾燥が早くて塗りにくいです。特に夏はきつい。
対してファレホ(vallejo)は取り扱っている店舗が限られています。主にボークスさんですね。私は秋葉原のボークスホビー館に行って購入しています。一本300円ちょっと。ネットで買うとちと割高ですね。たくさんの種類が販売されていますが、全部買うわけにもいかないので、数種類持っています。肌色系と黒白にレッドブラウン、フィールドグレイなど。調色してなんとかすれば良いので細かい色は持たないことにしています。ファレホの特徴としては、タミヤアクリルよりも乾燥が遅いため、塗り味が変わらないままフィギュア1体、ちゃんと最後まで塗り終わることができる点ですね。
水パレットも合わせて用意すればかなり長い時間、同じ粘度で塗装することができます。
タミヤアクリルだと塗っている途中で塗料の粘度が変わってくるので後半塗りにくいです。一気にどわーっと塗る戦車ならさほど問題ないのですが、フィギュアだとちょっと大変です。ファレホだとその点粘度がずっと変わらないので、安定して塗ることができてハッピーです。
服の塗装
今回はタミヤアクリルで服を塗装します。全身ファレホで塗装をしても良いのですが、ファレホは塗膜が薄くて引っ掻いたりすると簡単に剥がれたりするので、服はタミヤアクリルで塗りたいです。とはいえ塗りやすさはファレホの方に部があるので、色があったら塗ってしまうことも。
よしなに調色して塗装しますが、はみ出しても気にしなくて良いです。どうせ上からまた塗り重ねれば良いので。マスキングなんて面倒なこともしません。そのままガシガシ塗ります。楽しくない模型ライフなんてやなこったであります。
服にはスミ入れをする予定なので、ジャケットの部分はフラットホワイトを混ぜて明るくした状態で塗装します。スミ入れでメリハリをつけるための下拵えです。
肌の塗装
ファレホの2色、ライトフレッシュとフラットフレッシュを混色して色を作ります。ライトフレッシュだけだとちょっと病的に顔が白いお姉さんになってしまうので、ライトフレッシュとフラットフレッシュを3:1 くらいで混ぜて使っています。戦車に乗るおじさんならフラットフレッシュ単体でちょうど良いです。特に薄めたりせずにそのまま塗っています。
ファレホの塗料は隠蔽力が強いので、服の塗装で濃いグレーがはみ出ても、上から肌色系の色でしっかり塗りつぶすことができます。下に濃いグレーがあろうと、サーフェイサーのグレーだろうと関係なしにスッキリ発色してくれるのではみ出しの強い味方であります。そんなわけで細かいことは気にせずオラオラで塗装ができるのも利点ですね。
ちなみに薄めずにそのまま塗るぶんには筆跡が残るようなこともありません。綺麗なもんです。筆は細めのものを使いましょう。私は100均で買ったナイロンの毛を切り取って細くした筆を気に入って使っています。
こんな感じになりました。それっぽくなってきましたねー。ちなみに大学選抜チームはみんな同じ格好をしている上に色の種類が少ないので塗りやすいです。大洗のパンツァージャケットや制服のように細い線もないので、入り口としては良いのではないかと思います。
大変なのはカバさんチームとか(服装が自由だし)、隊長セット(全員服装違うし)とかですね。
肌は一回塗りでも良いと思うのですが、僕は2〜3度塗りをすることが多いです。1回目は薄めずに塗って、2回目3回目は水で薄めてさっと塗ります。
スミ入れ
続いてスミ入れをします。エナメル塗料を使います。今回はグレーの服なので、暗色のフラットブラックを使用しました。そのままだとさすがに濃いので、エナメル溶剤かライターオイルで薄めて使います。スミ入れ塗料のブラックならそのまま使えば良いです。
顔にはスミ入れ塗料がつかないようにした方が良いです。女子の顔に影はいらん、ということで。ここでは全身の服にスミを入れて黒くなっていますが、この後エナメル溶剤をつけた綿棒で拭き取ってあります。細いところはエナメル溶剤をつけた筆で擦って落とします。
アイデカールを貼る
アニメキャラの目を自分で描くなんてとてもできる気がしません。大丈夫です、デカールがキットに付属しています。小さいものが苦手な我々の強い味方であります。
それぞれ2枚ずつあるので失敗しても大丈夫。リベンジができるようになっています。では貼っていきましょう。水転写デカールなので、使いたい部分を切り抜いてから、水かぬるま湯につけてデカールが台紙の上で動くようになるまで1〜2分待ちます。
難しいのは瞳の位置合わせです。右目と左目は別々のデカールですから、両目とも置いてみてしっくりくる位置に合わせないといけません(眉毛が別れていることもある)。近づけたり離したり、上下に動かしたりして調整するので、まずは何もつけずに顔に乗せて位置決めをしましょう。
ここだ!これでアズミ姐さんだ!的な気持ちになったら綿棒で余計な水分を拭き取って、上からマークセッターをひと塗りします。上から塗って意味あるんだろうか、と思いつつ、きっちり接着してくれるのでいつもそうしています。
目が入りました。帽子の大学選抜マークも貼ってあります。一気にそれらしくなりました。アイデカールは偉大であります。
特にアズミ姐さんがバッチリ決まった感あります。お美しいです。ここまできたら一旦つや消しコーティングをしておきます。この後の油彩具を使う工程で、つや消し状態の方がもろもろやりやすいのです。
油彩具でハイライト入れ
私は油彩具が結構気に入っていてよく使っています。油彩具なのでテカりもありますし少しデコボコしたりもするのですが、それも含めて気に入っています。
服の立体感の演出は、同系色で何色か段階に分けて塗り分けて表現するのがいいようです。すごい人だと7段階に分けて、という話も聞きますが、私は多くても3段階くらいです。
今回はグレー系なので、油彩具のパーマネントホワイトとアイボリーブラック(両方ともホルベインの12色セットに入っています)をパレットに出して、何段階かの色を作って塗装しました。油彩具は乾燥が遅いので、のんびりやっていても問題ありません。乾燥しないようにしておけば、24時間後でも続きができたりします。その代わり油彩具でハイライトを入れたらその後2-3日は乾燥させる必要はあります。
こちらはハイライトを入れたばかりのルミさん。基本的にはドライブラシ的な感覚で、エッジ周りや光が当たりそうなところに服の色より1段階くらい明るい色を塗っていきます。べたっと塗る感じではなく、筆に塗料がかすかに残っている状態にしてハイライトを入れていく感じです。
立体感が出てきたところで、次に明るいグレーを先ほどより少ない面積で、さらに明るそうな部分(シワの先端とか)に塗ります。最後に1番明るい3段階目をちょんちょんっと、目立たせたいところに乗せて、乾燥した筆で少しだけぼかして整えます。
で、こんな感じになります。ハイライトをしっかり入れるだけでずいぶん印象が変わったのではないかと思います。1/35フィギュアは小さいので、明るめに仕上げた方が飾りばえもして良いと思います。
全員揃うとこんな感じ。髪の毛も理屈としては同じです。同型色でハイライトを作って塗ります。
肌の赤み入れ
さて肌は何もしないのかというと、少しだけ赤みを入れるのが今のところしっくりきています。ハイライトを入れたりしてみたのですが、はみ出してアイデカールに色が乗ったりすると面倒なことになります。拭き取る際にデカールが汚れたり、最悪破れたりする恐怖があって苦手です。やるとしても鼻先に明るめの肌色を乗せておくくらいでしょうか。
そこで口と頬に赤みを入れることにしています。使うのは油彩具のバーミリオンヒュー。
頬に少しだけバーミリオンヒューを点付けして、乾いた筆でボカすとこんな感じです。(さすがにここまで拡大すると色々とあらが、、、)
同様に膝裏、膝頭、手にも少々、赤みを入れると人らしさがグッと増します。
フィギュア塗装完成!
そんなわけで完成です。写真では塗ってすぐなのでテカりがありますが、乾燥するまで数日待って、つや消しコーティングを吹くと落ち着いた感じになります。瞳には後でクリアを筆塗りしたりするのも良いですね。
大変小さいものですが、満足感のあるものに仕上がります。ぜひチャレンジしてみてください!
ルミさん追加工作
そういえばルミさんってばメガネかけてたー。とパッケージを見て思い出したので、メガネをつけることにしました(上の写真ではもう付いている)。気持ち的にはほぼ完成していたのですごく面倒な気持ちになってしまって、おざなりな工作をしてしまいました。。
ちょうど卵の空きカップを使って塗装をしていたので、端っこの薄いところを丸く切って(不器用なので丸く切るだけで大難事でした。。。)接着剤で顔にペタッと貼りました。すいませんそれだけです。。しかもちょっと濁った。。ぐう。フレームとか無理。
次回最終回、完成ギャラリーをお届けします。
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