[戦車塗装] タミヤのM8-75mm自走榴弾砲を米軍らしく作る(後編)

US self-propelled howitzer vehicle, 75 mm Howitzer Motor Carriage M8

前編に続きまして、後編でございます。前回までで基本塗装、細部までの塗装を終えていますので、その続きからご紹介します。

前編の記事はこちら。



M8 自走榴弾砲の塗装

スミ入れ、デカール貼り

最近はほぼフラットブラックでスミ入れをしています。というわけで適当を容器に出したら、100均のライターオイルで研いてダーっと塗ります。

真っ黒であります。すぐ乾燥するので、綿棒にエナメル溶剤をつけて拭き取ります。拭き取ったらデカールを当ててしまいます。デカール貼りって英語だと「Apply Decal」なので、貼るというよりは当てる感じの印象ですな。

Focusが当たっているのは内部の砲弾ですが、こんな感じになりました。だいぶキリッとしましたね。デカールも当てると気持ちが昂ぶります。後部のデカールは凹凸部にかかっているので、そんな時はマークセッターで柔らかくしつつ、密着させます。

デカールを当てたらトップコートのつや消しを吹いて保護しておきます。


砲弾の塗装

ちなみに砲弾は先端をフラットブラックで塗装、下の部分はゴールドリーフで塗装しています。まぁ普通に見えない部分ですが、ちゃんとしておきたい気持ちもあるので、金属光沢も入れておきましょう。タミヤ ウェザリングマスター Fセット (金属色) のチタン等の粉を付属のブラシで擦り付けていくと、相当それっぽくなります。


履帯のウェザリング

履帯は以前紹介した戦車履帯のお手軽100均ウェザリングでささっとやっつけて装着。


ドライブラシ

続いてドライブラシです。最近いろいろやった結果、結局ドライブラシなんじゃないかと思っていて、最後はドライブラシになりつつあります。

アクリル溶剤で表面をムニついているので、結果デコボコがある表面に、ドライブラシを入れていくことで、良い感じにざらついた風合いを出すことができます。ドライブラシについては今度別出しで詳しい記事を書きます。

僕が最近ドライブラシについて感じているのは、「ドライブラシ魔法なんじゃないか」というところで、これをやるのとやらないのとでは、随分と印象が変わるなぁと思います。

ただいつものアレで何なのですが、ドライブラシ中の写真とかないので、完成写真で解説します。。いやもう、やっている時は結構夢中なんですよね。。

2つ前の写真がここから紹介する2ステップでこうなる(泥汚れ以外)のですが、まぁ魔法ですよね。。ドライブラシは2種類しています。

  1. ホワイトでエッジ / 面 をドライブラシ
  2. タミヤ ウェザリングマスター Aセット (サンド) でドライブラシ

それぞれ解説します。


ドライブラシ(ホワイト編)

まずはエナメル塗料のフラットホワイトを使ってエッジ周りをドライブラシします。グレー系があればそれでも良いと思いますが、僕は明暗をきちっとつけた仕上がりが好きなので、ホワイトを使っています。

またドライブラシ前には必ずつや消しトップコートを吹いておくようにします。以前つや消しトップコートを吹かずに面(エッジじゃない平らなところ)のドライブラシをやろうとしましたが、表面のザラっとした感じが弱くて、思うようにいきませんでした。

以来僕は必ずドライブラシ前につや消しトップコートを吹いています。つや消しのざらっとしたコーティングが良いのだと思います。

塗料を筆にとって、しっかり毛の奥まで塗料を入れたら、ティッシュ等で筆がパサパサになるようにします。筆は短く切ったものが良いようですが、僕はナイロン製の筆なら何でも良いです。豚の毛の筆は硬くてダメです。水彩画用のものは柔らかすぎて使いにくいです。ナイロン製がオススメです。100均もで売ってます(僕のはダイソー)。


エッジ(角っこや突起物)をドライブラシしていくと徐々に色のノリが悪くなってくるので、そうしたら平らな面をドライブラシします。筆を面に対して平行になるようにして、サッサッと筆が表面をかすっていくイメージで筆を動かします。エッジから下へ、またはエッジから下へ、少しずつやると良い感じになります。

上の写真ですと、砲塔のカバーがやや分かりやすいかと思います。やや色が薄く見えるところと、濃いところがあると思います。濃いところが特に手を入れていない部分、白くなっている部分がドライブラシをしている部分、さらに黄色くなっている部分が、のちにウェザリングマスターのピグメントで明るくしている部分です。

もう1枚参考写真を。こちらは横から見た写真です。

側面のドライブラシっぷりは分かりやすいですね!星マークのついている段はエッジから下へドライブラシで白を強めに入れています。その1段下はサイドスカートですが、ここはホワイトのドライブラシに加えて、サンドのピグメントによる泥汚れを上から乗せています。

また転輪近くの駆動体はエッジに対するドライブラシが効いていてよく引き締まった表情になりました。


ピグメントによるドライブラシ(ウェザリングマスター編)

続いてピグメントをブラシに取ったものでドライブラシをします。僕はお手軽派なので、タミヤさんのウェザリングマスターを愛用しています。今回使うのはサンドカラー3色が入っている Aセットです。もはや万能すぎて毎回使ってしまいます。。

このピグメントを付属のブラシに取って、エッジ周りや、面にランダムに擦り付けていきます。ポイントはなるべく不均一に、強烈につける部分と何もしない部分をあえて作ることでしょうか。1つ上の写真では、星マークの左側はほぼ何もついていないですが、そのちょっと左側の面はがっつりつけています。

均一にやるとメリハリが無くなってしまうので、もうドンドンやっちゃいたい!という気持ちを抑えて強烈にやるところと、何もしないところ、弱めにやるところ、のメリハリをつけてやると良いと思います。まぁでもこの辺は好みなので、好きにやれば良いとは思います。


ピグメントで泥汚れを追加

ここでもウェザリングマスターAセットを使います。ピグメントを幾分削ったら100均のライターオイルで粒子が残る程度に溶かします。溶いたものを筆にとって、車体の下部や側面にさっさとつけていきます。乾燥する前はピグメントはほぼ透明になっていてよく見えないので、つけすぎに注意です。

少なめにつけて、足りなかったら盛る方がリカバリーが簡単なのでオススメですね。つけすぎたら、爪楊枝や歯ブラシで削ると風合いの良いまま取れます。

履帯にもよしなにつけておくと説得力が増して良いですな。

というわけで完成〜。



M8 自走榴弾砲の完成ギャラリー

M8はM41ウォーカーブルドックと一緒に塗装していたのですが、この2作品は大変良い出来で着地することが出来ました。お義母さんと義理の妹がうちに来てガールズトークを展開していたので、引きこもってひたすらゴニョゴニョしていたのが良かったんだと思います。

ちなみに戦車ばっかり作っているのはバレています。「あらまぁ好きなのねえ」というリアクションをいただきましたが、その裏にどんな感想があるのか怖くて想像できません。ゴーイングマイウェイであります。

上から見た M8 自走榴弾砲くん(人は乗っていない)。

ちっさくて可愛い。

今回は製作過程の紹介で完成写真をちょいちょい使ってしまったので以上であります!


まとめ

今回の記事ではドライブラシに焦点を絞って丁寧に解説をしてみました。参考になれば幸いです。ドライブラシでハイライトを作っていく方式のポイントは、車体を暗めに塗装することでしょうか、ベースが暗いとそれだけ一層ハイライトが目立ってキリッとした表情になりますね。

明るめで塗装して油彩で暗部を入れて、最後にドライブラシ、というのも一時期マイブームが来ていましたが、最近暗めからのドライブラシがツボです。そうして今作っているKV-2ではドライブラシをしすぎて冬季迷彩なの!?という勢いになっていて後悔しています。

なにごともやりすぎは良くないものであります。