[戦車塗装] メルカバMk.3 をシナイブルーで製作する(前編)

今回はアカデミーから出ているメルカバMk.3を、以前作ってみたタミヤMk.1のシナイブルー版と同様に塗装をしてみることにします。ちなみにシナイブルーという名称は存在しなくて、勝手にそう呼んでいるだけです。海外モデラーの方にこういった色合いのメルカバを製作している方がいて、それがあまりにも格好良かったので真似をしてみました。

もうちょっと近づくとこんな感じ。

傑作だと思います(我ながら)。そんなメルカバMk.3くんの製作・塗装記録であります。


メルカバMk.3シナイブルーの塗装レシピ

シナイブルーの配合については後述の塗装コーナーにて。


メルカバMk.3シナイブルーの製作

製作に使うのはアカデミーの 1/35スケールのメルカバMk.3です。3000円台で買える、まぁまぁリーズナブルなキットであります。フィギュアは付属しませんが、チェーンカーテンは付属しています。

いくつか合わせ目が目立ったりしましたが、よしなに修正し、パーティングラインが残るところもなるべく見つけて修正し、ということで素組みで完成です。特に何も盛らなくてもすでに結構ゴテゴテとしていて良い感じです。

ひとまず砲塔、車体上面、車体下部の3ブロックで立ち上げました。ワイヤーはタコ糸で置き換えています。

いかにも面倒くさそうなチェーンカーテンは、接着箇所が特に指定されていないので、写真等をみながらどのあたりにつけていくかを決めます。精密ピンバイスで軽く穴を開けてそこに差し込んで、瞬間接着剤で固定する形にしました。

写真ではついていますが、この後車体に噛ませると、チェーンカーテンが車体に擦れて困ってしまいました。仕方がないので一度接着したものを引っぺがし、短くして(チェーン3〜4個ぶんくらいの長さに短くした)再度接着しました。気合いで自作、というのも夢があっていいなぁと思ったのですが、あるものを使いたい欲求からは逃れられません。

車体後部のバスケットにはティッシュを使って布を張ったように見えるものを作るべし、と説明書に書いてあったので、ティッシュに木工ボンドの溶き汁を染み込ませたものをべろっと車体に貼り付けて乾燥させました。

製作はタミヤのキットよりは大変、Dragon のキットより簡単、という感じでしょうか。


メルカバMk.3シナイブルーの塗装

例によって塗装にかける時間が、製作の3倍近いわけですが、楽しく塗っていくことにいたします。塗装は海外モデラーの方のものを参考に、シナイブルーと命名した青みがかった色で塗装することにします。今回ももちろん筆塗りです。


基本塗装 + ムニつき

以前のMk.1で試したものと同じ配色にします。アクリル塗料のフラットホワイトをベースに(全体の6割)、フィールドグレイ(2割)、フラットブルー(2割)の割合で塗料を混ぜて調色します。塗料が足りなくてあとで再度調色するのも面倒なので、ちょっと余るくらいに作ります。

全体に2度ほど重ねて塗ります(いつも通り)。その後1日ほど置いたらアクリル溶剤をつけた筆で優しくこすっておきます。今回は塗装面を剥がしたくはないので、優しくこすっておく程度に留めます(そして写真がない。。。)


スミ入れ

基本塗装だけでは微妙な雰囲気なので、エナメル塗料のフラットブラックで墨入れをします。しっかりと濃い状態で塗りたくって、丁寧にそれを拭い取っていくことで、モールドの溝にしっかりと黒が残るようにしました。

全体はこんな感じ。べったりスミ入れをすると拭き取るのに2時間くらいかかったりしますが、まぁ楽しいので良いことにします。

リビングで楽しく塗装をしていた関係で色味がオレンジがかってしまい、補正したら色味がまた微妙に写真ごとに違ってしまうことになってしまいました。分かりにくくてすみません。。


デカール + 細部塗装 + チッピング

雰囲気を出していくべく、細かい作業を積み上げていきましょう。というわけでデカールを貼ります。説明書のマーキング例をみながらよしなに貼っていきます。スカートに細かいマーキングが大量に入るのですが、マークセッターで接着していきました。その後のウェザリングで少し剥がれたところもありますが、許容範囲でした。

予備履帯や機銃などの金属部分はクロームシルバーで塗装、あとでツヤを整えます。後部バスケットの布はバフ。木部もバフ。アンテナカバーはフラットホワイト。ベリスコープはフラットブルー。

チッピングはジャーマングレイです。本当はエナメルが良いのでしょうが、手元になかったのでアクリル塗料のジャーマングレイを使いました。

地道に塗装がハゲた感じに細い筆でジャーマングレイを塗ります。主にエッジ周り、面には名前にざっと引っかき傷のようなものを入れました。装甲面がそこそこ広いのでこういった横や縦の線が入るとなんだか細密感が出て良い感じがします。

後ろの方はこんな感じ。装甲面の境界部分や、折れ曲がるようなところはあえてしっかりとチッピングを入れます。墨入れをしたところに加えてチッピングを入れることでさらにくっきりと構造が別れて見えてきます。リアリティについては置いておいて、格好良くなるので良いことにしています。


サビ入れ

え、サビ跡って中東の車両に必要?という疑問に後から気づくくらい何も考えていなかったのでサビ跡用にいつものサビ塗装で使っている赤茶汁で適当に線を描き入れました。

ぎゃあああやってもうたぁぁぁ!!というビジュアルですが大丈夫です安心してください。

エナメル溶剤を含ませた筆で上からなぞればいい感じにボカせますから!


ドライブラシ

ドライブラシなんてダサいぜ、という風潮があるようです。良く分かりませんが、ドライブラシした方がカッコいいと私は思うので、カッコいいと思う方にいきます。ただ私の場合はドライブラシといよりは油彩ブラシとでも呼んだ方が良いような具合で、油絵具で作ったハイライト色をエッジに入れたり、明暗をつけるために面に薄くポンポンと叩くように乗せていったりします。

この工程は何というか超楽しいです。超楽しい以外の表現が見つからないのですが、超楽しいです。どんどん格好良くなっていく戦車を見て超楽しくならない人なんているんだろうか。この時はほぼただのホワイトという色の状態でした。パーマネントホワイトですね。筆にとり、色がかすれるくらいにしたところでエッジを中心にハイライトを入れていきます。

やりすぎたらまた溶剤をつけたりして拭き取れば良いので、やりすぎくらいの勢いでやりましょう。

装甲面も単調になってもつまらないので、グラデーションになるように少し手心を入れました。上の方の面に意図的に油彩具のホワイトを薄くつけて広げています。ドライブラシと同程度の筆の具合にしてポンポンと車体に当てていくようにして面の明度をあげました。

転輪も同様にドライブラシ気味にハイライトを入れておきました。油彩具は乾燥が遅いので2日ほど乾燥にかかったような気がします。まぁ仕方ないですな。別の戦車をやれば良いだけです。


ウェザリングペーストで泥汚れを追加

さらにウェザリングペーストのマッドホワイトで縦筋を入れます。少量のペーストを細めの筆にとって装甲面に縦に筋を入れました。順番的にはドライブラシをする前の方が良いですね。やりすぎたらエナメル溶剤やライターオイル等をふくんだ筆でボカしたり拭き取ったりすることができます。


アンテナ工作

アンテナはいけてる人の作品写真を見たり、実物写真を見たりしつつ、自分の技術力の限界との妥協点で工作をしました。にゅっと曲がっているあのアンテナが作りたかったのです。

ちょっと太めの伸ばしランナーと、短くした伸ばしランナーの2本を用意。長い方をまずは接着し、根元を力づくで曲げながら前に倒していきます。短いアンテナは車体から立ち上げておいて、瞬間接着剤をつけてプニュっと接続。ええ、もう線と線を接着剤で繋げただけですよ!これが私の工作スキルの上限です今のところ!


そんなわけで完成。次回完成ギャラリーをお伝えします。