以前記事を書いたアクリル塗装剥がしの応用として、ワイヤーブラシでガシガシとお戦車の表面を傷つけつつ塗装を剥がす手法についてまとめます。ちなみに筆塗りしかしていないので、エアブラシをお使いの方の参考にはならないかも…。
そもそもアクリル塗装剥がしってなにさ、というものの詳細は下記で見ていただくとして、概要としてはアクリル塗料で塗った基本塗装をアクリル溶剤で柔らかくして工作をしてやる、という方法です。
今回はこの方法でアクリル塗装の表面を柔らかくしたところで、ワイヤーブラシを使って塗装に傷をつけて部分的に剥がしていきます。
使用する道具(塗料以外)
- アクリル溶剤
- ワイヤーブラシ(100円均一に売っているものでOK。僕が買ったのは3本セットで1番硬いものを使っています)
- 筆(100円均一に売っているものでOK)
ワイヤーブラシで塗装を剥がす方法
下地はラッカー塗料で塗る
戦車の塗料を剥がすということは下地が見えます。下地がグレー系だったり黒系だったりする場合は、大きく剥がれなければ違和感なく、ステップアップ感のある戦車になるのですが、薄いイエロー等だとやはり変になってしまいます。
下地はラッカー塗料で塗ります。その上からアクリル塗料で基本塗装をしていくわけですが、アクリル溶剤をつけても、下地がラッカー塗料なら溶けないので安心、というわけです。ブラシでやりすぎなければ、下地が剥がれたりはしません。
下地のカラーについては色々なパターンが考えられますが、僕はMr.カラーのライトグレーを使っています。今後ブラックやオキサイドレッドパターンもやってみますので、うまくいったら記事を更新しますね。
基本塗装はアクリル塗料で塗る
ラッカー塗料で下地を塗ったら、基本塗装をアクリル塗料でやります。僕はタミヤのアクリル塗料を使っています。基本塗装は薄塗りで最低2層、薄いところが残るようなら3層くらいに重ねて塗りムラが気にならないくらいまでやります。
乾燥は手につかないようになればOK。夏場なら1時間も掛かりません。
基本塗装をアクリル溶剤で溶かす
タミヤのアクリル溶剤をスポイトにとって、適当な容器に一度移します。当たり前ですが、直接筆を突っ込むと色がついてしまって大惨事になるのでご注意。筆にアクリル溶剤をたっぷりつけたら、表面をゴシゴシを擦って基本塗装を溶かします。
基本塗装が溶けてくると筆で擦っている感触がむにむにとしてくるので、そこまでいけばOKです。
時間が経つとすぐに乾いてしまうので、すかさずワイヤーブラシを手に取り、ガシガシと表面を叩くようにして塗料を剥がしていきます。加減はやってみて掴んでください。
M4A1シャーマンでやった際の写真を参考に。下の写真はアクリル塗装が剥がしをする前です。明るいグリーンで塗装しています。下地はライトグレー。
ここにアクリル溶剤を塗って表面を柔らかくして、ワイヤーブラシでガシガシやります。
こうなりました。車体の角の部分を中心に上から下へ、ワイヤーブラシで剥がしてみました。ライトグレーが出ている部分が下地が見えているところ、もうちょっと暗い色が出ているところが削りすぎて成型色が見えちゃっているところです。
全体的に色のトーンが変わりますが、これはアクリル溶剤で溶かした直後だからで、乾燥するともう少し明るくなります。ただ、最初に塗った色よりは濃い色合いに変化するので、僕は基本塗装の際にホワイトを混ぜて明るめの色合いにしています。
違いが分かりやすい写真を下記に載せます。
車体は剥がし済み、砲塔は基本塗装のまま、という状態。砲塔も同様にやると、下記のようになります。砲塔はすこしやり過ぎたかな、という感じがしますが、まぁこれはこれで面白いですよね。
アクリル塗装剥がし + ワイヤーブラシの作品事例
いくつかの戦車でやったワイヤーブラシ作戦の実例をご紹介します。
M4A1シャーマンの場合
今回の作例として写真をたくさん使ったシャーマンくんの製作記事です。
Ⅱ号戦車の場合
こちらもワイヤーブラシでガシガシとやっています。墨入れを黒で車体全体に入れたので、傷をつけた部分に塗料が入り、面白い風合いに仕上がりました。
Ⅳ号戦車D型の場合
下地に100均のラッカースプレー、ツヤありシルバーを吹き付けてから剥がしたパターン。非常にそれっぽくなりました。
というわけでまとめてみました。今後もお手軽で良い感じになる脱力系ウェザリングを色々と試していきたいと思います。
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